災害・感染症や情報システムの停止は、経営の交代が終わるのを待ってくれません。障害福祉事業の承継では、BCPのファイルを渡すだけでなく、緊急時に誰が判断し、職員・利用者・関係機関へ連絡するかを新体制へ移します。
情報管理では、利用者・職員の記録を安全に引き継ぎながら、新担当が必要な情報へアクセスできる状態を作ります。本記事は事業継続と情報の引継ぎ手順を扱い、個別の災害対応や法令適合を一律に保証するものではありません。
BCPと現場の備えを読み合わせる
厚生労働省の自然災害・感染症のガイドラインを参照し、所在地、サービス類型、利用者の支援、建物・交通条件に合った計画かを確認します。連絡先、避難・代替の場所、必要な備蓄と調達先、職員不足時の優先業務を点検します。ひな形の提出だけを準備完了にしません。
訓練・研修の記録と、そこで見つかった課題の対応を照合します。連絡が届かなかった、備蓄の場所が分からなかった、外部先との協議が終わっていないといった残件を、新しい責任者へ渡します。感染症の指針と業務継続の計画は目的を分けて管理します。
業務継続と情報管理の引継ぎ表を作る
表は横にスクロールできます。
| 対象 | 確認する記録 | 切替時の確認 |
|---|---|---|
| 判断と連絡 | 責任者・連絡網、外部協議 | 旧代表の個人連絡先に依存しない |
| 備蓄・代替 | 所在、使用期限、点検、協力契約 | 新担当が使用・発注できるか |
| 記録へのアクセス | システム一覧、権限、保管先 | 必要な担当に必要な範囲だけ渡す |
| バックアップ・復旧 | 保存・復旧手順、確認結果 | 誰が復旧し、記録の欠落を点検するか |
請求ソフト、記録システム、メール、共有フォルダ、端末等の契約と管理者を一覧にします。旧職員のアカウントを共用するのではなく、新担当の権限を整え、退職・交代後に不要なアクセスが残らないかを確認します。契約や証明書の変更は提供会社の手順へ照合してください。
候補先へ渡す資料と日常記録を分ける
初期の調査は件数や状態の匿名集計を使い、詳細な個人情報は必要性と取引段階に応じて管理します。秘密保持契約に加え、利用目的、閲覧者、複製・持出し、交渉終了時の返却・削除を決めます。NDAを締結したことだけで、全データの開示が適切になるわけではありません。
事業承継に伴う個人情報の取扱いには個人情報保護委員会のガイドラインを参照します。該当する取扱いと安全管理、承継前の利用目的との関係を照合し、利用契約等の手続きと混同しないようにします。判断が必要な場合は専門家へ確認してください。
切替当日と最初の訓練で実行を確かめる
承継当日は連絡網、システムの管理権限、備蓄・代替先の連絡を新担当が確認します。緊急時の判断者と代理者を案内し、旧担当にだけ届く通知や請求期限がないかを点検します。古いデータを消す前に必要な記録の保全と閲覧・復旧を確認します。
最初の研修・訓練で新体制の連絡と記録確認を試し、未解決事項を期限付きで残します。BCPの改訂と実施体制の変更を同時に管理することで、経営者が交代しても必要な支援を継続する備えを引き継ぎやすくなります。
よくある質問
Q. BCPのひな形があれば調査は完了ですか。
A. 所在地・サービスに合う運用、連絡、備蓄・代替、研修・訓練と改善の記録を合わせて確認します。
Q. 旧担当のIDとパスワードを買い手へ渡せばよいですか。
A. 管理・契約の手順に沿って権限を切り替えます。共用や不要な閲覧権限を残さず、必要な記録へ新担当がアクセスできるか確認してください。
制度・手続きの確認資料
制度資料の確認日:2026年10月5日。以下は所管機関の公表資料です。個別事業所の適用、必要書類、受付日程は所在地の指定権者等へ照合してください。
編集責任:障害福祉M&A総合センター編集部(運営:株式会社M&A Do)。本記事は承継時の確認手順を整理した一般的な解説です。
譲渡相談では、BCPの責任者・連絡先と、記録システムの契約・権限切替を整理できます。支援内容・費用の範囲は当センターの案内でご確認ください。
