児童発達支援のM&Aでは、設備や利用人数に加え、事業所がどのような方針でこどもと家族を支えているかを確認します。特定職員の技能に依存した支援は、職員名簿だけでは買い手に伝わりません。判断の根拠や家族との対話を、引継ぎ可能な記録へ整える必要があります。
ここでは専門職の役割、支援プログラムと個別支援計画、関係機関との連携を確認する業務手順を扱います。個々のこどもの発達評価や治療の助言を行う記事ではありません。
公表方針と日々の支援がつながっているか
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインや参考様式を参照し、支援プログラム、個別支援計画、実施記録を対応付けます。支援内容を名称の一覧だけで説明せず、こどもの希望・生活、家族の相談、実施後の振り返りがどう計画へ反映されるかを確認します。
買い手へは、共通する支援方針と個別の配慮を分けて示します。初期の匿名資料には個人を特定する細かな経過を入れず、必要な権限が整ってから個別記録を扱います。方針変更を検討する場合は、継続する支援と変える理由を家族・職員へ説明できる状態にします。
専門職が担っている判断を見える化する
表は横にスクロールできます。
| 確認対象 | 資料・聞き取り | 引継ぎ先の課題 |
|---|---|---|
| 児発管の業務 | 計画の期限、面談、会議、研修修了状況 | 未完了の計画と配置要件の確認 |
| 専門職の役割 | 資格、勤務実績、助言・支援記録 | 継続意向、職種別の判断と代替体制 |
| 家族支援 | 相談履歴、説明資料、連絡手順 | 継続窓口と未解決の相談 |
| 移行・地域連携 | 園・学校等との連携記録、次の予定 | 情報共有の範囲と新担当の関係づくり |
資格保有者がいることと、現在の支援方法を同じ体制で続けられることは別です。勤務日や担当範囲、非常勤・外部契約の条件を確認し、代表者の交代で終了する契約がないかを照合します。配置や算定に関係する条件は所管へ確認してください。
評価・苦情・安全の記録から改善を引き継ぐ
自己評価や保護者評価は、集計結果と改善活動をセットで読みます。要望に対して支援方針、環境、連絡方法をどう見直したか、未完了項目が何かを確認します。高評価だけを実績として並べても、買い手が実行すべき作業は分かりません。
安全面では、設備、感染症・災害対応、事故・ヒヤリハット、利用するこどもに必要な配慮を確認します。医療的ケア等が関係する場合は、資格・担当・関係機関との取決めを個別に照合し、単に看護職員が在籍しているから全て対応できるとは説明しないようにします。
初月の面談・計画更新を止めない工程を作る
承継日をまたぐ面談、計画見直し、関係機関との会議の予定を先に移します。旧担当と新担当が共同で確認する期間を設け、家族へ窓口を案内します。契約主体や重要事項の変更など必要な手続きは、取引方式と事業所の変更内容に応じて確認します。
初月の点検では、計画期限、家族からの連絡、職員が迷った判断を共有します。買い手が守る支援方針と、新体制で改善する運営作業を分けることで、経営の交代とこどもの支援を無理なくつなげやすくなります。
よくある質問
Q. 専門職が全員残れば支援方針も引き継げますか。
A. 勤務条件と役割、個別計画・助言の根拠、家族・関係機関との連携を確認します。在籍の継続だけでは十分とは言えません。
Q. 新しい支援プログラムにすぐ変えてよいですか。
A. こどもと家族への影響、現行計画、説明・手続きの必要性を確認します。経営上の判断だけで急に変更せず、職員と段階を設計してください。
制度・手続きの確認資料
制度資料の確認日:2026年10月5日。以下は所管機関の公表資料です。個別事業所の適用、必要書類、受付日程は所在地の指定権者等へ照合してください。
編集責任:障害福祉M&A総合センター編集部(運営:株式会社M&A Do)。本記事は承継時の確認手順を整理した一般的な解説です。
譲渡相談では、専門職の役割と家族・関係機関への説明、計画業務の引継ぎを整理できます。支援内容・費用の範囲は当センターの案内でご確認ください。
