PMIはM&A後の事業・経営の引継ぎと統合作業です。障害福祉事業では、新しい経営方針を広める前に、翌日の支援、職員の勤務、利用者の連絡と月次請求が続く体制を確かめる必要があります。
成約後に全業務を一度に変える計画ではなく、初日、初月、その後の改善へ分けます。買い手が進める作業と売り手が残す確認、専門家・所管への照会を、担当と期限でつなぐ方法を整理します。
初日に変える権限と継続する支援を決める
管理責任者、支援の相談・緊急連絡、勤務・送迎、現金・支払、記録・請求システムの管理者を確認します。必要なアクセスや連絡が旧代表にしか届かない状態を解消し、新担当が翌日の予定と判断窓口を説明できるようにします。
利用者・家族・職員へ伝えた維持条件と、買い手の運営計画が一致しているかを確認します。初日から変更する事項は理由、必要な手続きと説明を整え、支援方法や勤務条件を成約だけを根拠に急に変えないようにします。
DDの残件を実行台帳へ移す
表は横にスクロールできます。
| 期間 | 優先作業 | 完了を確認する記録 |
|---|---|---|
| 初日まで | 責任者・連絡・勤務・権限の切替 | 新担当の確認、必要手続き・説明の実施 |
| 初月 | 支援計画期限、請求・入金、賃金・支払 | 期限台帳、送信・実績照合、支払結果 |
| 残件対応 | 届出、物件承諾、行政照会、設備等 | 回答・実施記録、未確定事項と次の期限 |
| 運営改善 | 会議・記録・業務分担の見直し | 影響確認、職員への説明、改善後の点検 |
各項目に担当、期限、関係者と判断者を付けます。『買い手が対応』の一語だけでは、現場が誰に相談すればよいか分かりません。完了基準は書類の引渡し、申請、受理、実施・確認などに分け、作業しただけで効果が確認できたとは扱いません。
請求と人員・支援記録を同時に点検する
最初の請求締切までに、事業所番号、証明書、ソフト契約、提供記録、加算根拠、送信結果と入金先を確認します。承継前サービス分の調整は、売り手・買い手の担当と精算方法を区別して管理します。支払や調整が残ったまま旧担当との連絡を終了しないようにします。
職員の勤務実績、責任者の計画業務、利用者・家族からの相談を初月の点検へ加えます。予定した配置や業務分担が実行できなければ、制度上の確認と採用・運営費の見直しを別々に行います。買い手の既存拠点と同じ仕組みが直ちに合うとは限りません。
統一する業務と残す支援を区別する
経理や購買等の共通化と、利用者ごとの支援・地域連携の変更を同じ速度で進めないようにします。変更による記録の欠落、相談窓口の混乱、職員負担を確認し、先に試す範囲と振り返りの時期を決めます。改善費用と作業時間も運営計画へ入れます。
一定期間の点検で、未完了課題、苦情・事故、期限超過、請求調整と職員の意見を確認します。引継ぎを終える条件は、旧担当が退いた日だけではなく、新体制が根拠資料と次の業務を自分で説明できる状態かで検討してください。
よくある質問
Q. PMIは成約後に考えればよいですか。
A. 初日の支援・権限や手続きは成約前から準備が必要です。DDの残件を担当・期限付きで工程へ移します。
Q. 買い手の運営ルールへ一括統一する方が早いですか。
A. 支援・契約・職員等への影響を確認します。共通化する業務と個別に残す支援を分け、変更後に点検してください。
制度・手続きの確認資料
制度資料の確認日:2026年10月5日。以下は所管機関の公表資料です。個別事業所の適用、必要書類、受付日程は所在地の指定権者等へ照合してください。
編集責任:障害福祉M&A総合センター編集部(運営:株式会社M&A Do)。本記事は承継時の確認手順を整理した一般的な解説です。
譲渡相談では、承継初日と初月の担当、DD残件と改善を実行する工程を整理できます。支援内容・費用の範囲は当センターの案内でご確認ください。
