サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者が退職する見込みなら、採用できるかだけでなく、個別支援計画の作成・評価や現場への指導をいつ誰が引き受けるかを確認します。取引を先に成立させてから探すと、職員や利用者が頼っていた判断の窓口が空くおそれがあります。
退職意向は本人との確認が必要な情報です。確定日、未確定な意向、後任候補の採用状況を分け、本人の意思を前提に承継計画を作ります。M&Aに同意したから継続勤務も約束したと解釈しないことが大切です。
資格・研修・配置の三つを混同しない
候補者の資格証だけで配置可能とは判定できません。実務経験の資料、基礎・実践・更新等の研修修了状況、現在どこに何の職種で勤務しているかを確認します。サービス管理責任者と児童発達支援管理責任者は、名称が似ていても対象業務や要件を同じものとして扱いません。
研修受講予定や採用内定は、着任・配置届の完了とは異なります。経過措置や欠如時の取扱いを使えると想定する場合も、適用条件と期間を指定権者へ確認し、確認前の候補者を充足済みとして買い手に示さないようにします。
退職前に引き渡す業務を一覧化する
表は横にスクロールできます。
| 業務 | 残す記録 | 引継ぎ時の確認 |
|---|---|---|
| 個別支援計画 | 作成・見直し期限、面談・同意記録 | 期限到来前に誰が担当するか |
| 支援上の判断 | 支援方針、配慮事項、関係機関の窓口 | 口頭だけの決定を記録に戻す |
| 職員指導 | 会議・助言の記録、未解決の相談 | 後任と現場責任者の役割 |
| 行政・研修 | 届出控え、研修修了証、受講予定 | 配置予定日と必要な照会の期限 |
利用者名を含む台帳は、候補先全員へ配布する資料とは分けます。まず件数・期限・未処理業務を匿名で示し、必要なアクセス権と取引段階が整ってから詳細を引き継ぎます。後任が記録を読めることと、本人・家族から信頼を得られることも別の課題です。
重なる期間が取れる場合と取れない場合
旧担当と新担当が同時に勤務できるなら、計画の最新版、面談予定、職員からの相談内容を一緒に確認し、判断の根拠を説明する場を設けます。同席回数だけを完了基準にせず、後任が未完了業務と次の期限を説明できるかを確かめます。
重なる期間がない場合は、管理者が記録の所在を確認し、相談先・緊急時の窓口・未処理一覧を先に確保します。買い手法人の別拠点の職員を兼務させればよいとは限りません。勤務時間、担当範囲、実際の支援提供と制度上の取扱いを照合し、実行できる体制を検討します。
雇用条件と支援継続を別々に合意する
本人との話合いでは給与、勤務時間、役職、通勤、担当事業所、研修受講の支援を明確にします。事業譲渡と株式譲渡では雇用関係の扱いも異なるため、個別の手続きは労務の専門家へ確認してください。残留を価格条件に含める場合でも、本人が当事者でない約束だけで継続を確定しないようにします。
後任配置が不確定なら、必要手続きの確認日、着任可能日、計画業務の引継ぎ期限を承継工程へ反映します。退職リスクを隠さず具体的な対応案とともに共有することで、候補先は追加採用や引継ぎの費用を現実的に検討できます。
よくある質問
Q. 買い手にサビ管がいれば問題ありませんか。
A. 保有資格だけでは判断できません。配置要件、現在の勤務先、兼務の可否、着任日を確認し、指定権者へ具体的な前提を伝えてください。
Q. 退職予定はいつ開示しますか。
A. 重要な運営条件として開示段階を決めます。初期は役割・退職予定時期を匿名で示し、個人情報の詳細は必要性と権限を確認して扱います。
制度・手続きの確認資料
制度資料の確認日:2026年10月5日。以下は所管機関の公表資料です。個別事業所の適用、必要書類、受付日程は所在地の指定権者等へ照合してください。
編集責任:障害福祉M&A総合センター編集部(運営:株式会社M&A Do)。本記事は承継時の確認手順を整理した一般的な解説です。
譲渡相談では、責任者の退職予定と、未完了の計画業務・後任候補の確認事項を整理できます。支援内容・費用の範囲は当センターの案内でご確認ください。
