福岡県で障害福祉事業のM&A・売却を考えるときは、事業所の所在地とサービス種別から指定の相談先を確かめます。県内の拠点でも同じ窓口とは限らず、放課後等デイサービス、就労継続支援、グループホームでは引き継ぐ運営資料も異なります。価格の検討と並行して、支援を続けるために必要な手続、人員、物件、請求を整理しましょう。

福岡県・各市・市町村の相談先を分ける
法人の本店所在地だけで提出先を決めず、指定通知書に記載された事業所とサービスを一覧にします。福岡県は成人向けと児童向けの手続ページを分けています。以下は窓口を探すための整理で、個別案件の受理先・期限は各窓口で確認してください。
| 事業所・サービス | 確認する入口 | 売却前に整理すること |
|---|---|---|
| 県域の成人向けサービス | 原則として所在地を所管する保健福祉事務所。北九州市・福岡市・久留米市は各市の案内を確認 | 法人本店と事業所住所を分け、各指定通知と窓口を対応させる |
| 放課後等デイ等の児童サービス | 県の児童サービス指定ページ、または所管する各市の児童サービス窓口 | 県所管では事前協議の申込方法を確認。一般の制度質問と申請相談の受付を混同しない |
| 相談支援を併設している場合 | 地域移行・地域定着と計画相談を区別。計画相談は所在地の市町村窓口 | 同じ法人内でも指定ごとの照会先と請求の切替を分ける |
窓口の根拠:福岡県・成人サービスの指定申請案内、福岡県・児童サービスの指定申請案内、県の指定申請等窓口及びスケジュール(2026年9月7日確認)。
株主の変更と運営法人の変更を区別する
株式譲渡で指定名義の法人が残る場合と、事業譲渡・合併等で別法人が運営を引き継ぐ場合は手続が異なります。代表者や役員、管理者、所在地、定員など、取引と同時に変わる項目を書き出します。行政への照会結果は、回答日、対象事業所、前提条件と一緒に残します。
国の吸収合併等に伴う事務簡素化の通知では、別法人による運営には新規指定が必要としたうえで、指定権者が実質的な継続運営と認める場合の簡素化や実績通算を示しています。利用契約、職員の雇用、賃貸借まで一律に自動承継できると判断せず、変更内容ごとに確認します。
放課後等デイ・就労継続支援・GHの資料を照合する
下表は買い手候補に運営を説明するための準備例です。人員、請求、物件の資料を照合し、確認済みの条件と未解決事項を分けて記録します。
| 確認する運営 | 資料の例 | 資料から確かめること |
|---|---|---|
| 放課後等デイの支援 | 児発管等の勤務形態、支援プログラム、計画作成・評価の管理状況 | 平日と学校休業日で必要な支援を続けられるか |
| 放課後等デイの送迎 | 曜日・便ごとのルートと時間、運転・添乗の担当、車両の契約 | 特定の職員が休む場合も対応できるか。個人住所を含む資料の開示範囲 |
| 就労継続支援A型・B型 | 作業別収支、受注契約、工賃・賃金、担当職員、請求根拠 | A型の雇用・収支とB型の工賃・報酬区分を分けて説明できるか |
| グループホームの住居 | 住居別の賃貸借、設備・消防関係、修繕履歴 | 契約変更に必要な同意、使用条件、次の修繕と費用負担 |
| グループホームの支援 | 世話人・生活支援員等のシフト、夜間対応、医療連携の手順 | 欠員時の対応、緊急時の判断者、申し送りを引き継げるか |
| 全サービスの請求・運営 | 加減算の根拠、請求と入金、返戻・過誤、運営指導と改善記録 | 未処理の訂正や返還、継続費用、承継前後の担当分担 |
「福岡市内だから利用が安定する」「郊外だから採用が難しい」と決めつけず、その事業所の曜日別利用、通所・送迎時間、採用実績、職員の継続意向を確認します。県境や市町村境を越える送迎・作業受注があれば、範囲と担当も記録すると説明が具体的になります。
2026年度報酬と、情報開示の前提を確認する
2026年6月1日以降の対象サービスの新規指定には、応急的な報酬単価の特例があります。国通知に基づく簡素化・実績通算を行った場合の取扱いは報酬改定Q&A VOL.1問12で確認できます。一方、B型の基本報酬区分見直しは別の論点です。VOL.2問2も確認し、現在の入金額をそのまま承継後の収入として扱わないようにします。
初期相談では、サービス種別、拠点数、利用状況の集計、収支概要、希望時期を使います。個人情報保護委員会の通則編を踏まえ、識別できる利用者情報は確認目的と必要範囲を定め、管理方法と交渉不成立時の処理も決めてから開示します。職員・利用者・ご家族への説明は、支援への影響と機密性を考え、対象・時期・説明者を設計します。
引継ぎは担当者と確認日まで決める
指定・請求、支援記録、シフト、送迎、夜間対応、連携先への連絡について、誰から誰へ、どの資料で引き継ぐかを決めます。職員の継続、物件の同意、未収金や返還、修繕費の負担は価格とは別の条件として整理します。引継ぎ後も利用・請求・職員体制を確認する日を設け、未解決事項を放置しない計画にします。
福岡県の障害福祉事業の譲渡を相談する。売却を決める前でも、施設名を伏せた概要から、守りたい支援・雇用と現在の課題を整理できます。対応するサービス領域もご確認ください。
よくある質問
福岡県内の事業所は、すべて県庁に相談すればよいですか。
所在地とサービスで窓口が分かれます。県域の成人サービスは所管の保健福祉事務所、北九州市・福岡市・久留米市の所管サービスは各市の案内を確認します。児童サービスや相談支援は別の窓口があるため、指定通知の名義とサービス名から確認してください。
法人が変わっても、職員が同じなら指定申請は不要ですか。
不要とは限りません。別法人が運営を引き継ぐ場合は新法人の指定が必要です。継続運営と認められた場合の手続の簡素化や実績通算は、指定自体を不要にする制度ではありません。
放課後等デイサービスとグループホームで準備資料は違いますか。
共通の指定・人員・請求資料に加えて、放課後等デイでは学校休業日を含む支援と送迎、グループホームでは住居ごとの契約・設備と夜間対応を整理します。事業所全体の数字だけで日々の運営負荷を判断しないことが大切です。
B型の売却では、現在の基本報酬がそのまま続きますか。
実績通算の有無だけでは判断できません。2026年度の応急的な報酬単価の特例と、B型の基本報酬区分の見直しを分け、現在の区分と過去の算定資料を確認します。加算・減算の継続条件も別途確認が必要です。
初回相談で利用者名簿を送る必要はありますか。
初期相談は、サービス種別、拠点数、利用状況の集計、収支の概要、希望時期から始められます。個人を特定できる利用者資料は、確認目的、必要範囲、開示先と管理方法を決めてから扱います。
制度・窓口の確認日:2026年9月7日。対象サービス、法人の形態、変更内容、指定権者の運用により必要な手続は異なります。個別の指定・報酬・契約は関係先へ確認してください。